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大腸カメラで見つかる病気

現代の医療において、大腸カメラ検査は消化器の健康を守る最も重要な検査の一つです。私たち佐藤内科クリニック グラングリーン大阪院の医師として、多くの患者様に大腸カメラ検査の重要性をお伝えしています。今年7月に開院を予定している当院では、最新の内視鏡技術を用いて、患者様の健康を総合的にサポートしてまいります。

今回は、大腸カメラ検査で発見できる様々な病気について、詳しくご説明いたします。

大腸カメラ検査とは?

検査の基本的な仕組み

大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)は、肛門から内視鏡を挿入し、大腸全体を直接観察する検査です。

・太さ10~13mmの内視鏡を肛門より挿入し、全大腸において、ポリープ・腫瘍・炎症・その他異常がないかを調べます
・検査時間は10~30分程度で、発見されたポリープの数や大きさにより異なります
・下剤で大腸をきれいにした後に実施され、粘膜を直接観察できる利点があります

他の検査との違い

便潜血検査と比較すると、大腸カメラ検査の精度は圧倒的に優れています。

・便潜血検査では早期の大腸がんや大腸ポリープが発見されることはまれにしかなく、逆に進行した大腸がんを見落としてしまうこともあり確実性に乏しい検査です
・大腸カメラ検査では【検査と治療を同時に実施】できるため、ポリープが見つかった際にはその場で切除が可能です
・バリウム検査と異なり、粘膜を直接観察できるため早期病変の発見に優れています

検査が必要な症状

以下のような症状がある方は、早めの大腸カメラ検査をおすすめします。

・血便や便潜血検査陽性
・慢性的な下痢や便秘
・腹痛や腹部不快感
・原因不明の体重減少
・40歳以上で検査歴がない方

大腸がんとその前がん病変について

大腸がんの現状と特徴

大腸がんは女性のがん死亡原因の第1位であり、男性の死亡原因でも第3位となっており、さらに増加傾向にあります。

・動物性脂肪の過剰摂取や、食物繊維の摂取不足など、食生活の欧米化によって日本人の大腸がんが増え続けています
・一般的には50歳を超えると大腸がんのリスクが上がります(男性は女性の約2倍)
・早期発見により【99%の早期大腸がんはその場で診断から治療まで安全に行う】ことが可能です

大腸ポリープの重要性

ほとんどの大腸がんは大腸ポリープから発生します。そのため、ポリープの段階での発見・切除は非常に重要です。

・腺腫の大腸ポリープが大腸がんを発生させる可能性が高いとされています
・当院では大腸カメラ検査時に発見したポリープを【その場で切除する日帰り手術】を実施しています
・小さなポリープはほとんど症状がありませんが、大きくなると便潜血や鮮血便の症状が現れます

検査のタイミング

早期の大腸がんや大腸ポリープには自覚症状を起こすことがほとんどないため、症状がなくても定期検査が重要です。

・便潜血検査が陰性でも大腸がんリスクが上昇しはじめる40歳を超えたら、大腸カメラ検査をおすすめしています
・家族歴がある方や生活習慣病をお持ちの方は、より早期からの検査が推奨されます
・定期的な検査により、将来の大腸がん予防が可能になります

炎症性腸疾患の診断について

炎症性腸疾患の基本概念

消化管に炎症や潰瘍を生じ、出血、下痢、体重減少、発熱などの症状を起こす疾患の総称が炎症性腸疾患(IBD)です。

・一般的には、原因が明らかな(特異的)感染性腸炎や薬剤性腸炎は含めず、原因不明(非特異的)で慢性の経過をたどる、潰瘍性大腸炎とクローン病の2疾患を指します
・日本では、厚生労働省の難治性疾患政策研究事業の指定難病となっており、公費で医療費が補助されています
・現在わが国には潰瘍性大腸炎は約22万人、クローン病は約5万人の患者さんがいると推測されます

潰瘍性大腸炎の特徴

潰瘍性大腸炎は炎症性腸疾患のひとつで、大腸の粘膜に炎症が起きることによりびらん(粘膜がただれている状態)や潰瘍(粘膜がえぐられている状態)ができる原因不明の慢性の病気です。

・比較的典型的な症状は1日5~10回前後の下痢、血便が続くといったものです
・病変は直腸から連続的に、そして上行性(口側)に広がる性質があり、最大で直腸から結腸全体に拡がります
・適切な治療により症状のコントロールが可能で、【健康な人とほとんど変わらない日常生活】を続けることができます

クローン病の特徴

クローン病は炎症性腸疾患のひとつで、主に小腸や大腸などの粘膜に炎症が起きることにより粘膜にびらん(粘膜がただれている状態)や潰瘍(粘膜がえぐられている状態)ができる原因不明の慢性の病気です。

・口腔にはじまり肛門にいたるまでの消化管のどの部位にも炎症や潰瘍(粘膜が欠損すること)が起こりえます
・その中でも特徴的な症状は腹痛と下痢で、半数以上の患者さんでみられます
・瘻孔、狭窄、膿瘍などの腸管の合併症や関節炎、虹彩炎、結節性紅斑、肛門部病変などの腸管外の合併症も多く認められます

その他の大腸疾患について

大腸憩室症

大腸憩室症は、大腸壁の一部が袋状に突出した状態で、現代人に増加している疾患です。

・憩室自体に症状はありませんが、炎症を起こすと腹痛や発熱を伴います
・食物繊維不足や便秘が原因の一つとされています
・大腸カメラ検査により憩室の数や分布を正確に把握できます

虚血性腸炎

腸管への血流が一時的に低下することで起こる炎症性疾患です。

・高齢者に多く見られ、突然の腹痛と血便が特徴的です
・多くは軽症で自然回復しますが、重症例では手術が必要になることもあります
・大腸カメラ検査により他の疾患との鑑別が可能です

大腸メラノーシス

一部の大腸粘膜に色素沈着が起きています。原因となっているのは主に便秘薬で、センナや大黄が含まれているものを常用しているケースがほとんどです。

・大腸メラノーシス自体に症状はありませんが、便秘薬の常用により便秘が深刻化している場合があります
・当院では色素沈着を確認した場合、適切な便秘治療と生活習慣の改善をご提案します
・便秘薬の適正使用についても専門的なアドバイスを行っています

感染症や急性炎症の診断

感染性腸炎

細菌やウイルスによる急性腸炎も大腸カメラ検査で診断可能です。

・サルモネラ、カンピロバクター、病原性大腸菌などによる細菌性腸炎
・ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルス性腸炎
・抗生物質関連腸炎(CDAD)なども鑑別診断に含まれます

薬剤性腸炎

薬剤による腸管の炎症も重要な鑑別疾患の一つです。

・抗生物質、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、抗がん剤などが原因となります
・薬剤中止により改善することが多いですが、重症例では治療が必要です
・服薬歴の詳細な聴取が診断のカギとなります

虚血性大腸炎

血流障害による腸管の炎症で、高齢者に多く見られます。

・動脈硬化や心不全などの基礎疾患がリスク因子となります
・左側結腸に好発し、特徴的な縦走潰瘍を形成することがあります
・軽症例は保存的治療で改善しますが、重症例では外科的治療が必要です

実際の患者さんの事例

早期大腸がんの発見例

50代男性の患者様で、便潜血検査は陰性でしたが、定期検診として大腸カメラ検査を受けられました。検査の結果、S状結腸に早期がんを発見し、内視鏡的切除により完治されました。この症例は、【症状がなくても定期検査の重要性】を示す好例です。

炎症性腸疾患の診断例

20代女性で、数ヶ月間続く血便と腹痛で受診されました。大腸カメラ検査により潰瘍性大腸炎と診断し、適切な治療により症状は大幅に改善しました。現在は【寛解期を維持】し、通常の生活を送られています。

大腸ポリープの予防的切除例

40代男性で家族歴があるため検査を希望されました。複数の腺腫性ポリープを発見し、検査と同時に切除を実施しました。病理検査では悪性所見はなく、【将来の大腸がん予防】に成功した事例です。

大腸カメラ検査の注意点

検査前の準備

適切な検査を行うために、事前準備が重要です。

・検査前日の食事制限と下剤の服用が必要です
・服用中の薬剤については事前に相談が必要です
・抗凝固薬や抗血小板薬は一時的な中止が必要な場合があります

検査時の配慮

当院では患者様の負担を最小限にするよう配慮しています。

・鎮静剤使用により【苦痛の少ない検査】を実施します
・検査中のモニタリングにより安全性を確保します
・検査後の十分な休息時間を設けています

検査後のフォロー

検査後も継続的なサポートを行います。

・検査結果の詳細な説明と今後の方針を共有します
・必要に応じて追加検査や治療をご提案します
・定期検査のスケジュールを個別に決定します

まとめ(総括)

大腸カメラ検査は、多様な大腸疾患の早期発見と治療において極めて重要な検査です。

早期の大腸がんや大腸ポリープには自覚症状を起こすことがほとんどないため、症状がない段階での検査が推奨されます。私たちが診断可能な疾患は、大腸がんをはじめとして、炎症性腸疾患、感染性腸炎、憩室症など多岐にわたります。

特に重要なのは、大腸カメラ検査時に前がん病変の大腸ポリープを発見した際に、その場で切除することは将来の大腸がん予防につながることです。また、炎症性腸疾患については早期診断により適切な治療を開始でき、患者様のQOL向上に大きく貢献できます。

【40歳を過ぎたら一度は大腸カメラ検査を】受けることで、様々な病気の早期発見・早期治療が可能になります。気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。