Grand green
大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)は、先端に小型カメラがついた管を肛門から入れ、大腸の全域を映像で直接観察する検査です。私が多くの患者さんとお話する中で、「検査当日は何をするのか」「どのような流れで進むのか」といった不安をお持ちの方が非常に多いことがわかります。この記事では、佐藤内科クリニックで行っている大腸カメラ検査の当日の流れについて、詳しくご説明いたします。
大腸カメラはその名のとおり大腸の様々な疾患を調べる検査で、正式には「下部消化管内視鏡検査」といいます。
・管の太さは現在主流のものでは10mm~13mmと、大人の小指より少し小さいくらいのサイズです
・大腸内部は粘膜に覆われており、その色の変化や凹凸により、ポリープ・炎症・潰瘍・出血などの異常の有無がわかります
・病変やポリープが見つかった場合にその場で組織を採取し、精密検査でより正確に病気を診断できるというメリットがあります
当院では、最新の内視鏡機器を使用し、患者さんに可能な限り負担の少ない検査を心がけています。検査の精度と安全性を両立させるため、経験豊富な専門医が検査を担当いたします。
検査を成功させるために、前日からの準備が重要です。
・検査前日のお食事は21時までに摂ってください。消化のよいものがお勧めです。脂っこいものや、繊維の多いものは避けてください
・21時ごろ、少量の下剤を飲んでいただきます
・検査当日は、食事は厳禁です。飲み物は、水・お茶・スポーツドリンクであれば飲用可能です
・喫煙は大腸内の血管を収縮させ検査に影響を及ぼしますので、避けましょう
当院では、初回の方には検査前の説明を丁寧に行い、不安な点があれば何度でもお答えしています。
予約した時間に合わせてクリニックに来院します。受付を済ませたら、検温・血圧測定など簡単な体調チェックがあります。
・最終排便の性状、排便回数をお聞きし、検査が正しく行える状態かを確認します
・到着後すぐに看護師から排便の状況確認があります。「何回くらい出ましたか?最後の便は透明な液体でしたか?」といった質問にお答えください
・便やカスが残っている状態では、正確な検査を行うことができません
検査の準備のために下剤(腸管洗浄剤)を飲みます。色の薄い水様便になるまで数回かけて排便を行います。
・当院では院内で下剤を内服していただく方と、ご自宅で内服していただく方を選択できます
・院内には医師や看護師がいるため、安全・安心な状態で前処置を行うことが出来ます
・下剤は決められた量を決められた時間に沿って飲む必要があります
検査着に着替えます。更衣室で専用の紙パンツ(お尻に穴が開いている使い捨てパンツ)と検査着に着替え、貴重品以外の荷物はロッカーに預けましょう。
・貴金属類は外してください
・必要に応じて点滴ルートを確保いたします
検査台に横になったら、体の左横向き(左側臥位)になるよう指示されます。膝を軽く曲げ丸める姿勢で、深呼吸してリラックスしましょう。
・始めに腸の動きや検査中の痛みを和らげるため、鎮静剤を注射します
・効き目には個人差がありますので、意識がボーッとするだけの方もいれば、ぐっすりと眠ってしまう方もいます
・鎮静剤を使用した場合には体にモニターをつけ全身状態をチェックしながら安全に検査をお受け頂けます
肛門付近に麻酔ゼリーを塗って滑りを良くし、いよいよ検査開始です。
・大腸カメラの検査は、まず一番奥まで入れてしまって、抜きながらしっかりと観察してくる検査になります
・奥に入れる際には素早くなるべく苦痛なく挿入し(1-5分程度)、病変がないかをじっくりとみながら抜去してきます(6-10分程度)
・大腸カメラでの検査時間は通常、10〜20分ほどで完了することがほとんどです
当院では、患者さんの負担を最小限に抑えるため、細径のスコープと二酸化炭素送気を採用しています。これにより、検査後のお腹の張りも軽減されます。
静脈麻酔をした方は20-30分程度リカバリールームにてしばらく安静にして頂きます。
・鎮静剤を使用した方は、検査後そのまま回復室(リカバリールーム)へ移動し、ベッドでしばらく休むことになります
・鎮静効果がまだ残っているため、30分〜1時間ほど安静にして体が覚醒するのを待ちます
・看護師が定期的に様子を見に来てくれるので安心してお休みください
鎮静剤から覚めた後に、実際の大腸カメラ画像をお見せしながら検査結果をご説明致します。
・基本的に、当日結果をお伝えしています
・生検やポリープ切除を行った場合には、後日改めて病理検査結果をお伝えします
・疑問点や不安な点があれば、遠慮なくお尋ねください
当日中は鎮静剤の効き目が残っているため、車の運転など集中力を必要とする作業は避けましょう。
・検査後の車の運転は出来ませんので、車でのご来院はご遠慮ください
・公共交通機関やタクシーでのご帰宅をお勧めします
・検査のみの場合は、検査後、少量の水分を採って様子を見ましょう。気分が悪くなるなどの症状がなければ通常の食事を採って構いません
ポリープを切除した場合は、より注意深い観察が必要です。
・組織採取やポリープ切除をした場合は消化が良く、負担の少ないメニューにするなどの食事制限が1週間程度必要です
・検査当日は安静を保ち、翌日からは散歩程度でしたら可能です。腹圧がかかる運動は出血につながる可能性がありますので、スポーツなどは1週間控えてください
・旅行や出張は1週間ほど控えてください。特に気圧が変化する飛行機は避けてください
ほとんどの場合、大腸カメラ翌日の不調は一時的なもので心配ありません。しかし、まれに重篤な合併症の兆候である可能性もあります。
以下の症状が見られた場合はすぐにご連絡ください:
・激しい腹痛
・便器が赤くなるほど出血量が多い、あるいは出血が増えていく・止まらない場合
・発熱
・嘔吐が続く場合
初回の大腸カメラで非常に不安を感じていらしたAさん。当日は院内で腸管洗浄を行い、看護師が付き添いながら安心して準備を進められました。鎮静剤を使用した検査では、「気づいたら終わっていた」とおっしゃり、検査中の記憶がほとんどありませんでした。検査では小さなポリープが発見されましたが、その場で切除し、病理結果も良性でした。現在は定期的な検査を受けられています。
便潜血検査陽性で来院されたBさん。検査前の不安が強く、何度も質問をされましたが、スタッフ全員で丁寧にお答えしました。検査では早期の大腸がんが発見されましたが、内視鏡治療で完全切除でき、現在は経過良好です。「あの時勇気を出して検査を受けて本当によかった」とおっしゃっています。
重要なポイントをまとめると、
・検査前の腸管洗浄が検査成功の鍵となります
・鎮静剤の使用により、多くの患者さんが快適に検査を受けられます
・大腸内視鏡検査中に起こる穿孔や出血などのリスクは0.012%と報告され、死亡率にいたっては0.00082%と非常に低い値です
・検査後の注意事項を守ることで、安全な回復が期待できます
当院では、患者さん一人ひとりの状況に応じて、最適な検査方法をご提案いたします。不安な点がございましたら、検査前に遠慮なくご相談ください。【早期発見・早期治療】が何よりも大切であり、定期的な検査により大腸がんの予防につながります。