Medical column

いつもお腹が下る、下痢が続く|考えられる原因と対処法について 

「最近、お腹の調子がずっと悪くて…」「下痢が何週間も続いている」このような症状でお困りではありませんか?私は佐藤内科クリニックの院長として、これまで多くの患者さんの消化器症状を診療してまいりました。

下痢が続く状態は、単なる一時的な不調ではなく、適切な治療が必要な場合も多いのです。

下痢の基本的な仕組みとは?

下痢とは、便に約60~70%以上の水分量がある場合、または1日200ml以上の排便が3回以上ある場合をいいます。通常の便でも70%以上の水分が含まれていますが、水分が80%以上になると「泥状便」となり、90%以上になると「水様便」となります。

下痢が起こる主なメカニズムは以下の通りです

  • 腸管分泌物の増加、水分吸収の低下、蠕動運動の亢進によって引き起こされています

  • 便が大腸内を通常よりも早く通過するため、水分を上手に吸収できなくなって起こります

  • 腸の炎症や感染により腸の正常な機能が妨げられる


急性下痢と慢性下痢の違い

急性下痢は2週間以内に治まる下痢で、慢性下痢は3~4週間以上続く状態を指します。当院では、慢性下痢症は、4週間以上続くまたは反復する、軟便あるいは水様便と定義されるとする医学的基準に基づいて診断を行っています。

下痢のタイプ別分類

下痢は発生のメカニズムによって、以下のように分類されます

  • 【浸透圧性下痢】消化されにくい物質が腸内に留まることで起こる

  • 【分泌性下痢】腸粘膜から過剰な水分が分泌される

  • 【滲出性下痢】腸壁の炎症により体液が漏れ出す

  • 【運動性下痢】腸の動きが異常に活発になる

いつも下痢が続く原因について

生活習慣に関連する原因

慢性下痢は主に、ストレス、不規則な生活や睡眠不足が原因で起こります。特に現代社会では以下のような要因が影響します

  • 【精神的ストレス】仕事や人間関係の悩み

  • 【食生活の乱れ】暴飲暴食、偏った食事内容

  • 【睡眠不足】自律神経のバランス崩れ

  • 【運動不足】腸の機能低下

脂っこい食事(ラーメン、揚げ物など)は消化が悪く、腸の負担になり、刺激物(コーヒー、お酒、激辛料理)は腸の動きを無理やり早めたり、水分の吸収を邪魔したりして、下痢を引き起こします。

病気が原因となる下痢

過敏性腸症候群(IBS)

慢性的な下痢の原因として最も多い疾患の一つです。大腸カメラや血液検査では異常が見つからないにもかかわらず、ストレスや特定の食事をきっかけに腸が過敏に反応し、腹痛を伴う下痢を繰り返します。

過敏性腸症候群になりやすいタイプとしては、繊細で几帳面な性格の人、不安・緊張などのストレスを発散できずにため込んでしまう人などが挙げられます。

炎症性腸疾患

腸に慢性の炎症(ただれや潰瘍)が起こる病気で、「潰瘍性大腸炎」や「クローン病」が代表的です。腹痛、血便、体重減少、発熱などを伴うことが多く、専門的な治療が必要です。

大腸がん

特に50歳以上の方で、血便、便潜血陽性や便が細くなるなどの症状がある場合は大腸がんを除外する必要があります。

食物不耐性による下痢

最近注目されているのが、特定の食べ物に対する不耐性です

  • 【乳糖不耐症】牛乳などの乳製品で下痢が起こる

  • 【FODMAP食品】パン(小麦)、納豆や豆腐(豆類)、玉ねぎ、一部の果物、人工甘味料などに含まれる糖質は小腸で吸収されにくく、大腸まで届いて「ガス」や「水分」を過剰に発生させるため、下痢やお腹の張りの原因になります

実際の患者さんの事例

■ケース1:30代 会社員男性

  • 症状:朝の通勤電車で必ず腹痛と下痢が起こる

  • 診断:過敏性腸症候群(下痢型)

  • 治療:ストレス管理と食事療法で症状改善

■ケース2:40代 主婦女性

  • 症状:血便を伴う慢性下痢が2ヶ月継続

  • 診断:潰瘍性大腸炎

  • 治療:専門的な薬物療法で寛解維持

■ケース3:50代 自営業男性

  • 症状:体重減少と便秘・下痢の繰り返し

  • 診断:大腸がん(早期発見)

  • 治療:内視鏡治療で完治

これらの事例からも分かるように、下痢の原因は多岐にわたるため、適切な検査による原因特定が重要です。

下痢の対処法について

急性下痢への対応

急性下痢の場合、ウイルス・細菌感染による胃腸炎が原因で起こることが多いので、整腸剤を使って治療するほか、必要に応じて抗生物質を投与します。

基本的な対処法

  • 【十分な水分補給】脱水を防ぐため経口補水液を摂取

  • 【消化に良い食事】おかゆやうどんなど胃腸に優しいもの

  • 【安静にする】体力回復のため十分な休息を取る

慢性下痢への対応

慢性下痢の場合には、大腸カメラ検査などの各種検査を行って、原因を判明させたうえで、適切な治療を行います。

当院では以下のアプローチを行います

  • 【詳細な問診】症状の経過や生活習慣の確認

  • 【必要に応じた検査】血液検査、便検査、大腸カメラ検査

  • 【根本原因への治療】病気が見つかった場合は専門的治療

食事療法による対処

推奨される食材

おかゆ・トースト・うどん(よく煮る)・くず湯・ささみ・白身魚・半熟卵・りんご やわらかく煮た野菜(ほうれん草、大根、人参など)・プリン・ヨーグルトなどが消化に良くおすすめです。

3~4回に分けて摂ることで、腸を休ませつつ、栄養をしっかり補給することができます。

避けるべき食材

脂肪分の多い肉やうなぎ、揚げ物、ラーメン、お菓子、海藻類、玄米などは消化吸収に負担をかけます。また、キャベツやさつまいも、豆類は腸内で発酵しやすいため避けましょう。

受診すべき警告サインの注意点

緊急受診が必要な症状

以下の症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください

  • 【血便】鮮血や黒色便が混じる

  • 【高熱】38度以上の発熱が続く

  • 【激しい腹痛】我慢できない痛み

  • 【脱水症状】めまい、口の渇き、尿量減少

  • 【体重減少】1ヶ月で5%以上の体重減少

早期受診を勧める症状

警戒すべき徴候がない人で、下痢が72時間以上続く場合は、医師に電話してください。特に以下の場合は注意が必要です

  • 【夜間も下痢が続く】睡眠中にも便意で目が覚める

  • 【日常生活への支障】外出や仕事に影響が出る

  • 【症状の悪化】徐々に回数や程度が増している

検査の重要性

過敏性腸症候群が疑われる場合は、まず消化器内科を受診し、大腸を含む消化管に器質的異常がないかどうか検査を受けましょう。当院では必要に応じて以下の検査を実施します

  • 血液検査:炎症反応や栄養状態の確認

  • 便検査:感染症や潜血反応の有無

  • 大腸カメラ検査:腸粘膜の直接観察

  • CT検査:腹部全体の評価

まとめ(総括)

4週間以上続く慢性下痢は、日常生活の質(QOL)を大きく低下させるつらい症状であると同時に、体からの重要なサインでもあります。「もともとお腹が弱い体質だから」と諦める前に、その原因を正しく理解し、適切な対処を行うことが大切です。

下痢の原因は実に多様で、生活習慣の改善で解決できるものから、専門的な治療が必要な疾患まで幅広く存在します。特に慢性的に続く下痢の場合は、他の病気の兆候の可能性があるため、医師の診断を受けることが重要です。

私たち医療従事者として、患者さんの症状に真摯に向き合い、一人ひとりに最適な治療法をご提案することをお約束いたします。下痢でお困りの方は、一人で悩まず、お気軽にご相談ください。適切な診断と治療により、快適な日常生活を取り戻すことができます。

当院について

佐藤内科クリニックは、大阪市に位置し、消化器疾患を専門とした診療を行っております。下痢をはじめとする消化器症状でお困りの患者さんに、質の高い医療を提供することを使命としています。

当院の特徴

当院では、患者さん一人ひとりの症状に丁寧に向き合い、以下のような診療体制を整えています

  • 【専門的な診療】消化器疾患に精通した医師による診察

  • 【充実した検査設備】必要に応じた迅速で正確な検査

  • 【個別化された治療】患者さんの生活スタイルに合わせた治療方針

受診の流れ

初診時は詳しい問診から始まり、必要に応じて検査を実施いたします。大腸カメラ検査が必要な場合も、患者さんの負担を最小限に抑える工夫を行っています。慢性下痢でお悩みの方、セカンドオピニオンをご希望の方も、お気軽にお問い合わせください。

私たちは「患者さんの健康と笑顔」を第一に考え、地域の皆様に信頼される医療を提供してまいります。下痢が続いてお困りの際は、ぜひ当院までご相談ください。適切な診断と治療により、お腹の不調から解放され、健やかな毎日を送れるよう全力でサポートいたします。