Medical column

私は佐藤内科クリニック(大阪府大阪市)の医師として、日々多くの患者さんの診療に携わっております。その中で「お腹の調子が悪い」「健康診断で異常を指摘された」といったご相談を受ける際、腹部エコー検査は欠かせない診断ツールの一つです。今回は、腹部エコー検査で発見される病気や検査のメリットについて詳しくお話しします。
腹部エコー検査(腹部超音波検査)について、まずはその基本的な仕組みをご説明します。
超音波を使って腹部の臓器や組織をリアルタイムで映し出す検査です
お腹にゼリーを塗り、専用の機器を使って超音波をあてます
人間の耳には聞こえない高い周波数の音(超音波)を体に当て、その音が臓器や組織に当たって跳ね返ってくる様子をキャッチして画像化します
船が海の中を探るために使う「ソナー」と同じ仕組みですね
当院では、この検査を通じて患者さんの健康状態を詳しく把握し、早期発見・早期治療につなげることを重視しています。検査時間はおおよそ20〜30分程度で、痛みを伴わない安全な検査です。
腹部エコー検査では、以下の臓器を詳しく観察することができます。
肝臓・胆嚢・膵臓・脾臓・腎臓
腹部大動脈
膀胱、前立腺および子宮
お腹を出した状態でベッドに横になります
超音波を通しやすくするために、皮膚に専用のゼリーを塗り、探触子(プローブ)と呼ばれる機器をお腹にあてて観察を行います
調べる部位によっては、一時的に息を止めたり体の向きを変えたりすることがあります
私の診療経験において、腹部エコー検査では様々な重要な疾患を発見することができます。ここでは、特に注意すべき病気についてご紹介します。
がんの早期発見に役立つ検査です
お腹の臓器のがんに関しても、CTやMRIよりも早期に発見できる事があります
腫瘍や結石があるとその箇所が白い映像として現れるため、病気の早期発見に非常に有効的です
膵臓がん:膵臓内に約2㎝の腫瘍を認め、主膵管の拡張を伴っている症例を経験しました。早期発見により手術可能であった貴重な症例です。
転移性肝がん:黒い輪郭の腫瘍を複数認める。検査の結果、大腸がんからの肝臓転移であった
胆嚢がん:胆嚢内に不整な腫瘍を認め、豊富な血流が検出される
肝臓がん、肝血管腫、肝嚢胞なども発見できます
胆嚢ポリープは直径3~4㎜程ですが、1㎝をこえてくると癌との鑑別が必要になります
胆のうポリープとは胆のうの内面にできる隆起した病変の総称です。基本的には重大な病気になることはなく放置して良いものですが、まれに悪性ポリープがあるため
安全で正確な検査を行うために、当院では以下のルールを守っていただいています。
腹部エコー検査の前に数時間の絶食が求められます。胃や腸に食物があると、超音波が十分に伝わりにくくなるためです
検査の8時間以内にお食事をしてしまうとこの胆嚢が収縮してしまい、内腔がつぶれてポリープの観察が出来なくなってしまいます
お腹を広く出す必要があるため、お腹が出しやすい服装がおすすめです
午前中の検査:朝食を抜いてください
午後の検査:昼食を抜いてください
水分は常温のお水・お茶は問題ありません
ゆったりとした、お腹の出しやすい服装でお越しください
リラックスした状態で検査台に横になってください
検査技師の指示に従って呼吸や体位を調整してください
何か不安なことがあれば遠慮なくお声かけください
当院で腹部エコー検査をお勧めする理由は、その多くのメリットにあります。
体の表面にゼリーを塗って探触子(プローブ)を当てる検査のため、痛みを感じることはほとんどありません
放射線被ばくの心配がありません
鎮静剤のような眠り薬を使用する必要も全くありませんし、検査時間も短く比較的リーズナブルです
超音波は体に無害ですし、検査は痛みもなく、安心して受けて頂ける検査です
X線やCTなどと違い、被爆もなく安全な検査です
造影剤なしで多くの情報が得られます
検査が終了した後は、すぐに日常生活に戻ることができます
短時間で非常に多くの情報をリアルタイムに得ることができるので、有効な検査です
その場で結果の説明が可能です
保険適用(3割負担)だと1,650円程度であり、それで胃と腸以外のがんがわかるのはかなりメリットがあると言えるでしょう
健康診断の基本パックにまれている場合もありますが、多くはオプションとして別途費用がかかります。その場合の費用目安はおおよそ5,000円前後です
当院では、腹部エコー検査で異常が見つかった場合、患者さんの状況に応じて適切な対応を行います。
腹部エコー検査で異常が見つかった場合には、異常に応じて経過観察になったり、精密検査(CT・MRI検査など)が推奨されたりします
確定診断をするためには、追加の検査が必要となる場合がほとんどです
悪性が疑われる病変や、より詳しい検査が必要な場合には、以下のような検査をご提案します。
造影CT検査
MRI検査
内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)
血液検査による腫瘍マーカー測定
良性の病変や軽度の異常の場合は、定期的な経過観察を行います。
小さな胆嚢ポリープ
軽度の脂肪肝
腎嚢胞などの良性病変
腹部エコー検査は非常に有用な検査ですが、いくつかの限界もあることをご理解ください。
高度の肥満があり内臓脂肪の多い方、お腹のガスが異常に多い方などは、超音波は厚い脂肪やガスを通過できないため、観察できる部分はかなり限られてしまいます
膵臓と子宮については、腹部エコーでは観察困難な部分があります
胃・小腸・大腸は腹部エコーでは全く観察することが出来ません
骨"と"ガス(空気やおなら)"です。エコーはこの二つにぶつかると、減衰・反射を起こし画像を作ることが出来なくなります
CT検査などと比較すると検査実施者の技量に左右される
当院では、腹部エコー検査だけでなく、必要に応じて他の検査も組み合わせて総合的な診断を行います。
造影剤を使わないでCTをするくらいなら、エコー検査の方がはるかに詳細に色々なことが分かります
エコー検査でさらに精密検査が必要と思えば、造影CTやMRIを行います
※プライバシー保護のため、個人が特定されない形で記載しています。
健康診断で肝機能異常を指摘され来院。腹部エコー検査で脂肪肝を発見。生活習慣の改善指導を行い、3ヶ月後のフォローアップで改善を確認しました。
右上腹部痛を訴えて来院。腹部エコー検査で胆石を発見。症状と合わせて診断し、適切な治療方針を決定することができました。
定期健康診断のオプションで腹部エコー検査を受診。小さな肝血管腫を発見しましたが、良性の病変であることを確認し、経過観察となりました。
これらの事例からも分かるように、腹部エコー検査は症状のある方だけでなく、無症状の方でも重要な疾患の早期発見に役立っています。
当院では、最新の腹部エコー技術も導入し、より精度の高い診断を心がけています。
肝臓についた脂肪(脂肪肝)の判定を数値化し、客観的に評価できるようなものも出てきています
エコー検査を用いて脂肪肝を数値化して評価できるため、軽症、中等症、重症と3つに分けることもできます
超音波減衰法により測定します。これまで、肝臓の脂肪化は超音波画像の「見た目」で主観的に判断されていましたが、超音波減衰法の登場により、客観的に数値での評価が可能となりました
従来の主観的な診断から、数値に基づいた客観的な診断が可能になったことで、より正確で再現性の高い検査結果を提供できるようになっています。
腹部エコー検査は、『安全で痛みがなく、短時間で多くの情報が得られる』優れた検査方法です。私の臨床経験からも、以下の点で特に価値があると考えています。
がんの早期発見に役立つ検査です
脂肪肝」「胆石」「胆のうポリープ」「腎結石」なども発見できます
毎年腹部エコー検査を受けることで、脂肪肝などの生活習慣に起因する変化も継続的に観察でき、早期対処にもつながります
【検査をお勧めする方】
健康診断で肝機能異常を指摘された方
腹部症状(痛み、不快感など)がある方
家族歴に肝臓病やがんの既往がある方
定期的な健康チェックを希望される方
ただし、腹部エコー検査にも限界があることを理解し、必要に応じて他の検査との組み合わせによる総合的な診断が重要です。早期発見・早期治療のため、定期的な胃カメラ・大腸カメラ・腹部超音波検査を受けましょう。
佐藤内科クリニック(大阪府大阪市)では、患者さんお一人お一人に寄り添った丁寧な診療を心がけています。腹部エコー検査においても、経験豊富な医師と検査技師が連携し、質の高い検査を提供しています。
【当院の特徴】
最新の超音波診断装置を完備
経験豊富な専門医による診断
即日結果説明が可能
必要に応じた精密検査の迅速な手配
プライバシーに配慮した検査環境
【受診をご検討中の方へ】
腹部エコー検査は予約制となっております。お電話またはWEBからご予約いただけます。検査前の注意事項については、予約時に詳しくご説明いたします。
「お腹の調子が気になる」「健康診断で異常を指摘された」「定期的な健康チェックを受けたい」など、どのようなご相談でもお気軽にお声かけください。皆さまの健康管理のお手伝いをさせていただきます。
私たちは、患者さんが安心して検査を受けられる環境づくりを大切にしており、検査結果についても分かりやすく丁寧にご説明いたします。腹部エコー検査を通じて、皆さまの健康維持・増進に貢献できるよう努めております。