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多くの患者さんが心筋梗塞や脳梗塞の予防・治療のために抗血栓薬を服用されています。「薬を飲んでいるから胃カメラは受けられない」と諦めていらっしゃる方も多いのですが、実は適切な管理のもとで安全に検査を受けることが可能です。私たち佐藤内科クリニック 大阪駅院では、抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドラインに基づき、患者さんの安全を最優先に考慮した検査体制を整えています。
抗血栓薬は血液をサラサラにして血栓を防ぐ薬の総称で、【抗血小板薬】と【抗凝固薬】に大別されます。
・アスピリンなどの抗血小板薬やワルファリンなどの抗凝固薬などをまとめて抗血栓薬といいます
・心筋梗塞や脳梗塞の治療・予防に欠かせない重要な薬です
・これらの薬は出血しやすいという副作用があります
・現在では種類が豊富になり、薬剤によって内視鏡検査時の出血リスクが異なります
・アスピリン(バイアスピリン®、バファリン®など)
・チエノピリジン系(プラビックス®、パナルジン®、エフィエント®など)
・その他(プレタール®、アンプラーグ®など)
・ワルファリン(ワーファリン®)
・DOAC(直接経口抗凝固薬):プラザキサ、エリキュース、イグザレルト、リクシアナの合計4種類
日本消化器内視鏡学会では「抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン」を2012年に改訂し、出血と血栓塞栓症という相反する二つの危険性の間で休薬による血栓塞栓症の危険性を最小限に抑えることを目標にしたガイドラインとなっています。
・検査の出血危険度と血栓塞栓症リスクを総合的に評価します
・胃カメラ検査は低出血危険度処置までを想定しており、基本的に安全に実施可能です
・患者さんの基礎疾患や併用薬を考慮した個別対応を行います
・抗血栓薬を継続したまま検査が可能です
・休薬による血栓塞栓症のリスクを避けることを最優先とします
・検査前の血液検査でINR値の確認が必要な場合があります
・抗血栓薬が単剤であれば生検などの出血低危険度の内視鏡処置を施行する場合には内服の中止は必要ありません
・ワルファリン服用者では事前のINR値確認が必要です
・DOACでは検査当日朝の休薬を検討する場合があります
患者さんが服用している薬の種類により、対応方法が異なります。当院では各薬剤の特性を十分理解した上で、安全な検査を実施しています。
・通常の胃カメラ検査では継続可能
・生検を行う場合も基本的に継続
・血栓塞栓発症のリスクが低い患者さまには、アスピリンは3~5日間休薬して検査することも可能
・ワーファリンは休薬により血栓のリスクが高くなるため、休薬はすすめられておりません
・3日前~内視鏡検査当日のPT-INRの結果が必要
・PT-INR値が治療域内であれば検査・生検とも継続下で実施
プラザキサ・リクシアナ・イグザレルト・エリキュース(4製品)について、以下の対応を行います。
・DOACは内視鏡検査当日の朝から内服を中止し、検査終了後に服用してください
・ただし、生検をした場合は当院医師の指示で服用を再開してください
・半減期が短いため、適切な管理により安全に検査が可能です
抗血栓薬を複数服用されている患者さんの場合、より慎重な対応が必要となります。
・ガイドラインでの具体的な方針の記載がなく、個別対応が必要です
・出血リスクと血栓リスクを慎重に評価します
・場合によっては検査の延期や代替薬への変更を検討します
・ワルファリンと抗血小板薬(アスピリン,チエノピリジン)を併用している場合には症例に応じて慎重に対応します
・必要に応じて抗血小板薬をアスピリンまたはシロスタゾールに変更
・ワルファリンは継続し、INR値を厳格に管理します
・DOAC と抗血小板薬を併用している場合は症例に応じて慎重に対応
・抗血小板薬はアスピリンまたはシロスタゾール単独に調整
・DOACは検査当日朝から休薬を検討
抗血栓薬の休薬を検討する際は、患者さんの血栓塞栓症リスクを慎重に評価することが重要です。
・心原性脳塞栓症既往、弁膜症合併心房細動、弁膜症非合併脳卒中高リスク心房細動、僧帽弁機械弁置換術後、機械弁置換術後血栓塞栓症既往
・冠動脈ステント留置後2か月、冠動脈薬剤溶出性ステント留置後12か月
・脳血行再建術(頸動脈内膜剥離術、ステント留置)後2か月
・一次予防目的での抗血栓薬投与
・安定した慢性期の患者さん
・血栓塞栓症の既往がない場合
私たちは患者さんの病歴を詳しくお聞きし、主治医の先生と連携して最適な検査方針を決定いたします。
安全な胃カメラ検査のためには、検査前後の適切な管理が欠かせません。
・服用薬剤の詳細な確認(薬剤名、用量、服用期間)
・血液検査によるINR値の測定(ワルファリン服用者)
・血栓塞栓症リスクの評価
・患者さんへの十分な説明と同意
・抗血小板薬は内視鏡検査当日の朝から内服を中止し、検査終了後に服用(必要時)
・バイタルサインの厳重な管理
・検査中の出血状況の観察
・必要に応じた止血処置の実施
・生検後出血が目立つ場合は、止血剤をすることや、クリップなどの止血術を施行することがあります
・抗血栓薬の再開時期の指示
・患者さんの状態観察と症状確認
・場合によっては入院が必要になることがあります
抗血栓薬を内服されている方が増加してきており、これらの薬は出血し易いという副作用がありますが、適切な管理により安全に胃カメラ検査を受けることが可能です。
・最新のガイドラインに基づいた安全な検査プロトコルを採用
・患者さん個々の状態に応じたオーダーメイドの対応
・血栓塞栓症リスクを最小限に抑える配慮
・検査前後の丁寧なフォローアップ体制
・主治医の先生との密接な連携による安心・安全な検査
出血よりも血栓塞栓症を起こさないことに重点が置かれるようになった現在、私たちは患者さんの生命を守ることを最優先に、安全で質の高い内視鏡検査を提供しています。抗血栓薬を服用中の方も安心してご相談ください。